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英検2級で留学が叶う!受験以外でも注目の英検とは

留学に必要な試験として広く知られているのが、TOEFLやIELTSなどの英語試験です。日本だけでなく世界の様々な国で受験ができ、一般的にはアメリカではTOEFLが、アメリカ以外の英語圏の国(イギリス、カナダ、オーストラリアなど)ではIELTSが重要視される傾向にあります(アメリカでもIELTSを受け入れる大学は多くあります)。

中学生や高校生にとってTOEFLやIELTSなどのテストは、聞いたことはあっても、あまり身近な試験とは言えないでしょう。問題も英語になるため、受験をする時点である程度の英語力が求められます。長い間これらの試験でハイスコアを取らなければ留学をすることが難しいとされていましたが、最近ではその風潮が変わりつつあることをご存知でしょうか。ここでは留学を目指している方に知っていただきたい英検についてご紹介いたします。

海外の高校や短大、大学で認められ始めている英検

日本で一番受験者が多い英語試験として知られている英検(実用英語機能検定)。幼稚園や小学校の時に受験を始めた、という方も多くいらっしゃるでしょう。実は今英検が留学をする際の英語能力を示す資格として、多くの国で認められ始めています。英検を使って留学ができると聞けば、遠く感じていた留学がもっと身近なものに思えませんか。

現在英検を活用して留学ができる主な国は、アメリカとオーストラリアですが、カナダやニュージーランドにも一部認められる学校があり、徐々に受け入れ校の数が増加していくと予想されています。受け入れ先の学校の種類としては、高校、2年制大学、そして4年制大学と、幅広くあります。

留学を目指している方にお勧めの資格、英検2級Aとは?

英検は一番難易度の低い5級から最難関の1級までと7つのレベルに分かれています(2025年までに準2級と2級の間に新たな級ができる予定)。ただこのすべての級が留学資格として認められているわけではありません。少数ながら準2級が認められている学校もありますが、最低でも2級とされています。また2級の中でも留学に必要な英語力があると示すことができるのが、2級Aと呼ばれるものです。

さて、この2級Aとは一体どんな資格でしょうか。端的に言えば「英検2級A」という試験はなく、英検2級合格+留学に必要な英語レベルに達していることを証明するものが、英検2級Aです。

英検2級Aをさらに詳しく!

英検を受けた受験者全員に届くスコア表の中には、2016年度に導入されたCSEスコアと呼ばれるものがあります。CSEスコアの「CSE」はCommon Scale for Englishの略称です。これは技能別に英語力を評価するスコアで、5級・4級はリーディング、リスニングとスピーキングテストの3技能、3級~1級はライティングも含めた全4技能のスコアとトータルスコアが表示されます。技能ごとに点数が表示されていることに加え、準2級を受けた方だと「2級まであと〇点!」と知ることができるため、重点的にどこに力を入れて勉強すればいいか目標を立てる目安ともなります。

CSEスコアは国際的に外国の学習における習熟度を評価する際に使用するCEFR(セファール)にも対応しています。評価はA1、A2、B1、B2、C1、C2(C2が最高レベル)の6段階に分かれ、その言語を使って何ができるかということを示しています。英検では2022年度に、技能別スコアに基づいて技能別のCEFRレベルを表示するなど、より国際的に活用される評価方法を採用しました。

英検のCSEスコアに関しては、受験者の答案を採点した後に調整されるという点も特長の一つで、受験者の応答パターンから形式や難易度の異なるテスト結果を比較する統計的手法を採用しています。すべての受験者の正解率などから難易度を計算して調整されるため、自己採点でCSEスコアを算出することは難しいでしょう。回によって合格基準点が変わったり、正答数が同じでもCSEスコアが異なったりすることがあるのも、このためです。

ただ、すべての受験者の受験結果にこのCEFRのレベルが表示されているわけではありません。まず4級・5級はCEFR算出範囲外であることから、CEFRレベルが表示されず、それよりも上の級でも4技能の総合スコアが特定の範囲を上回っている場合のみ表示されます。英検2級Aを取るためには2級に合格することに加え、4技能で2150点(2600満点)以上であることが必要です。日本英語協定協会が公表している英検2級の合格ラインがCSE1980点、準1級の合格ラインが2304点(3000満点)であることから、「2級の合格者の中では上部にいて、且つ準1級まであと一歩」という位置になっている状態が2級Aであると言えます。

統計的手法を用いていることから具体的に何割で2級Aに合格、とお伝えはできませんが、6割程度の正答率で2級に合格とされていることから、8割程度の正答率を目指したいところです。また2016年度にCSEスコアが導入されてから、合格をするためには今まで以上に4技能のバランスが取れていることが求められるようになりました。極端に言えばリーディングのパートが満点でも、ライティングのパートが0点では不合格になってしまいます。「読む・書く・聞く・話す」の技能をしっかり伸ばし、高得点を目指しましょう。

証明書の発行方法と受験料

点数をクリアしていても自動的に日本英語検定協会から「2級A合格です!」と通知が来るわけではありません。CSEが2150点以上になったら、自分で「日本英語検定協会 英検留学情報センター」に証明書の発行を依頼します。またこの証明書は学校から出願先に直接送付される成績証明書などと同様に、個人での受け取りは不可です(自宅・留学エージェントへの送付は行っていません)。提出先の学校へ英検協会から直接送られるので、注意しましょう。証明書の発行の際には手数料として2,200円かかるので割高と感じる方もいるかもしれませんが、海外までの送料が含まれると考えればリーズナブルな価格です。

加えて検定料の安さも英検の魅力と言えます。TOEFLの受験料が245ドル(日本円で約26,950円)、IELTSの受験料が25,380円(英検協会運営サイトより申し込み、ペーパー・パソコンとも同価格)と何度も受験することを考えると高額ですが、英検2級は本会場でも8,400円とお手頃価格に設定されています。

英検は一度合格すれば永久的に資格を保持でき、有効期限はないとされているものの、この2級Aについては2年間の有効期限があります。作成日から2年ではなく、合格証明書発行日から2年となりますので、出願用に受験される方は受験のタイミングにお気を付けください。

英検2級と聞くと少し構えてしまうかもしれませんが、通っている中学校や高校が会場となるケースも多いため、受けたことがある方も多いでしょう。挑んだことのないTOEFLやIELTSに挑戦するよりも、ずっと対策も立てやすいはずです。あなたも今までの学習経験を生かして、留学にチャレンジしてみませんか。

2024/01/30