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大学卒業後1年の滞在が可能に!マレーシア就職事情

観光地として長年日本人に人気の高いマレーシアですが、今留学先としても人気が高まっていることをご存知ですか。物価が安いマレーシアは、学費もリーズナブルな価格となっているため、欧米諸国への留学と比べて安価に留学の夢が叶います。

日本の学生には「ツーリズム」、「ホスピタリティ」、「ビジネス」、「コミュニケーション」などの専攻が人気ですが、留学を検討されている方々が気にしていることの一つが、卒業後の進路ではないでしょうか。今回はマレーシアでの就職活動に関してご紹介します。

マレーシアでの就職!留学経験と英語力を生かし幅広い分野で活躍

アジア有数の観光立国であるマレーシアでは、現在日本が推進しているインバウンドビジネスを基礎から学ぶことができます。観光やビジネスでマレーシアを訪れる日本人は年間40万人ほどいるため、観光業において日本人スタッフの需要が多くあります。

マレーシアに進出する日系企業や、資源やエネルギーを扱う企業でも、日本人スタッフを採用しています。マレーシアの日系企業で働く場合は、日本で採用され海外駐在員として派遣される、または現地で雇用されるバターンがありますが、前者の場合は給与と手当ては日本水準となります。

マレーシアで外国人を現地採用で雇用する際に必要な労働ビザの要件として、月給RM5,000(日本円で14万ほど)以上と定められています。日本では決して高い給料とは言えませんが、物価の安いマレーシアでは普通の生活できる水準となっているので、安心してください。

マレーシアでは国語としてマレー語、中国語、タミール語などが使われていますが、外資系企業がかかわるビジネスの場においては英語が使われています。在留邦人が多いため、日本人向けの会社での営業スタッフや学習塾講師など、英語力に不安がある方が応募できる職種もあります。ただし海外現地法人には当局の雇用政策のため、外国人労働者の数に限りがあります。そのため日系企業に就職したとしてもローカルスタッフが多く、スタッフとコミュニケーションを取ることができる英語力は求められるでしょう。

直接企業に応募するだけでなく、現地の人材紹介サイトに登録することも、マレーシアでスムーズに就職活動を進めるキーとなります。

日本国内での就職にも有利!インバウンド需要急増で求められる人材に

2019年に訪日マレーシア人が史上最多となる50万人を達成するなど、日本もマレーシアにとって魅力的な観光地となっています。コロナ中は観光客が激減しましたが、今では訪日マレーシア人の数がコロナ前の数字に戻ってきています。

訪日マレーシア人の増加に伴い、受け入れ地域との摩擦も増えています。マレーシアでは国民の6割以上がイスラム教を信仰しています。宗教や生活様式の違いから、誤解や不満が生まれることは珍しくありません。イスラム教には「ハラル」と呼ばれる、宗教上許されているものがあり、生活全般の指標となっています。豚肉を食べることや飲酒の禁止は有名ですが、食べ物や飲み物だけでなく、服装や行動など細かく決められています。

残念ながら日本は、観光に力を入れている諸外国と比べてムスリムフレンドリー(イスラム教を理解し、受け入れる体制ができていること)であるとは言えません。マレーシアを含むアジアの人々の行動様式などを理解し、柔軟に対応できる人材を確保することは、観光業をはじめとする多くの業種で急務となっています。観光大国を目指している日本ですが、グローバルマインドを持った人材はまだまだ不十分です。

また外国の方々の目線に立ち、専門的に情報発信や広報戦略を行う人材も不足しています。マレーシアなどアジアのターゲット市場を日本国内で学び、分析することは簡単ではありません。そこで期待がかかるのが、マレーシアの大学で「コミュニケーション(メディアと広報について学ぶ専攻)」を学んだ学生たちです。留学経験を通して市場を熟知し、国際感覚に優れた人材が大いに活躍するでしょう。

長く続く円安の影響もあり、これからマレーシアからの観光客が益々増えていくことが予想されます。それに伴い、マレーシアでインバウンドビジネスについて学んだ留学経験のある学生たちの就職の幅も、おのずと広がっていくはずです。

マレーシアへの留学生に朗報!卒業後も最長1年間の滞在が可能に

アメリカやオーストラリアなど、留学先としてメジャーな国々には、大学卒業後に1年~数年間滞在し働くことができる制度があります。2023年12月1日からマレーシアにもこの制度が導入されました。

希望する留学生には長期ソーシャル・ビジット・パスを発行し、卒業後も最長12カ月の延長滞在が認められます。すべての国の留学生が対象となるわけではなく、マレーシアが高所得且つ低リスク国として認定した特定の国の留学生に限られています。対象国は、日本やシンガポールなどを含む23カ国です。

延長滞在中は旅行や追加の学業だけでなく、国内法が認める分野のパートタイム就労が認められるので、幅広い経験を積むことが可能です。多国籍国家のマレーシアでは働き方も日本と異なり、お互いの文化や宗教的なバックグラウンドを尊重しながら働く必要があります。マレーシア留学を経て、環境や生活に適応できる力が備わっていることは、現地で働く上で大きな強みです。職場で感じるストレスが少なく、早く仕事になじむことができるでしょう。