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英語力チェック!TOEFLスコア徹底解説

TOEICや英検と同じように日本で認知度が高い英語試験の一つ、TOEFL。この頃では英語試験の免除や英語試験の加点などの優遇対応を受けられるなど、日本国内の大学・大学院における入試や単位認定でも活用できる学校が増えているため、留学を考えていない方にも広く知られています。ただ英検のように級で分かれているわけではないので、英語力のレベルを知るためには点数の目安を知っておく必要があります。ここでは点数の目安を含め、TOEFLの試験内容について詳しくお伝えしていきます。

TOEFLは1つじゃない!種類と受験方法についてご紹介

■TOEFL ITPとTOEFL iBT
TOEFLはアメリカ合衆国の非営利教育団体である「ETS」が開発した英語力を示す試験です。そのためTOEFLで使用されている言語はアメリカ英語となっています。アメリカで開発された英語試験ということもあり、アメリカやカナダに留学する際にTOEFLスコアの提示を求められることが多くありますが、約160か国以上、20,000以上の大学・大学院・その他機関で受け入れられています。

ちなみにTOEFLにはTOEFL ITPとTOEFL iBTがあります。TOEFL ITPは、団体受験向けのテストで、大学のクラス分けや大学で海外留学をする生徒を専攻する場合などに使われています。そのため個人で受けることはできません。実はTOEFL ITPは以前存在していたTOEFL PBTの過去問を再編集したもので、レベルも1と2の2段階に分かれています。

一般的にTOEFLと言うときはTOEFL iBTのことを指します。TOEFL iBTの満点は120点で、リーディング・リスニング・スピーキング・ライティングの4技能を各30点で測定します。

■自宅で受験ができるTOEFL iBT Home Edition
2020年にはじまったTOEFL iBT Home Editionでは、通常のTOEFL iBTと同じフォーマット、画面のテストを自宅で受けることができます。週に4日24時間受験が可能で、最短でも申込日の翌日に受験ができるため、コロナ対策の一環としてスタートしたものの近くにテスト会場がない方や忙しい方にも重宝されています。試験中はProctorと呼ばれる試験監督者が、ビデオカメラを通して受験者と受験者が使用するパソコンを監視しています。テキストチャットや音声(英語のみ)でやり取りをすることもできるので、安心して受験できるのではないでしょうか。不正を防ぐため、受験時にヘッドセットを使用することは禁止されています。ただしTOEFL iBT Home EditionのスコアをTOEFL iBTと同じように採用しない学校や機関もあるため、出願する前に問い合わせておきましょう。

■TOEFL iBT オンライン模試
公式HPでは、本番さながらのオンライン模試を受けられることをご存知でしょうか。リーディング・ライティング・リスニング・スピーキングの4セクションの過去問がセットとなった模試は、時間制限あり・なしから選べる点もうれしいポイントです。1セット4,980円の模試は常時複数の過去問が用意されていて、2セット以上の購入で割引も受けられます。受験はパソコンでのみ利用でき、購入後6カ月が受験の有効期限となっているので、ご注意ください。

■TOEFL iBT 試験時間と無料練習問題
3時間もあった試験時間は2023年7月から約2時間になりました。リーディングが35分、リスニングが36分、スピーキングが16分、そしてライティングが29分です。リーディングとリスニングの後には10分間の休憩があるため、トイレ休憩や水分補給もできます。この改定に伴い、公式HPには新形式の無料練習問題も掲載されています(2023年12月現在)。

あなたのスコアをチェック!何点で英語力が高いと言えるの?

実際に何点くらいあれば英語力があると証明できる目安となるのでしょうか。各試験の得点をまとめた以下の表を参考にしてください。

【出典】
CER(セファール)とは?文部科学省が作成した英検、TOEICとの相対表つき 株式会社リアブロード

アメリカへの進学を目指す場合、45点~70点程度がコミュニティカレッジに出願できるレベル、70点~80点程度が4年制大学に出願できるレベルと言われています。もちろん点数が高ければ高いほど、選べる学校の幅を広げることができるため、トップレベルの大学を目指すのなら90点以上を目指しましょう。得点が40点以下の場合は、残念ながらTOEFLを資格として活用するレベルには達していません。

試験内容をチェック!スコアレポートの手続きはタイミングに注意

TOEFLではどのような問題が出題されるのでしょうか。歴史、西洋文化(アメリカやイギリスの文化)、教育(学問・スポーツ・物理学・化学・テクノロジー・農学・心理学・薬学・哲学・生物学・遺伝学)、環境(エネルギー問題・地球の気候・天文学)、芸術、ビジネスなど、トピックは多岐にわたります。歴史や芸術に関する問題ではアメリカについて聞かれることが多いです。専門的な内容ではないものの、ある程度の知識があった方が問題を読み進めやすく、芸術や歴史、時事問題に興味を持ち、ボキャブラリーを増やすことが大切です。どの言語を学ぶ上でも語彙力を上げることが得点アップにつながります。知らない単語、わからない単語は、必ず調べて覚えましょう。

受験者全員に対してDIコードが発行されます(Designated Institution Codeの省略で、Institution Codeと呼ばれることもある)。TOEFLのスコアを学業や就職に役立てたいと考えているのなら、登録することをお勧めします。登録をすることで、望む場所にスコアレポートを送ってもらうことができます。スコアレポートの送付手続きをするタイミングも重要です。受験前日の22時までに手続きを行った場合、4通まで無料となりますが、テストを受けた後には1通につきUS$25必要となります。

TOEFLの受験料はUS$245です。受験者が自宅で受け取れるスコアレポートは1通分のみ受験料に含まれています。ただETSアカウントのスコア通知設定(Score reporting Preference)ページで、テスト前日22時までに「オンライン上でのスコア確認及び郵送での通知」を選択しない限り発行されないのでご注意ください。前日の22時を過ぎてしまった場合、こちらもUS$25かかってしまいます。

TOEFLで取得したスコアには2年間の有効期限があります。海外留学のために試験を受験する場合は、有効期限と出願時期を考慮して受験するタイミングを決めましょう。

TOEFLでハイスコアを目指す場合、インプットだけでなくアウトプットも同時に行う必要があります。独学では点数がなかなか伸びないと感じていらっしゃる方も、多いのではないでしょうか。特にスピーキングとライティングは自己採点がしづらいパートです。英検やTOEICと比べてスコアアップが難しいとされるTOEFLで点数を取るためには、過去問を何度も繰り返しする、難しい単語になれるため専門書を多く読むなど地道に努力しなければいけません。スコアを短期間で上げたい方は、対策テキストや英会話レッスンなどを上手に活用することがポイントとなります。

2024/01/31