留学情報

高校生も安心!留学生を守るオーストラリアの法律

留学先の国を選ぶ時、治安の良さや暮らしやすさは、誰もが重要視するポイントです。近年留学生に人気の高いオーストラリアは、安全であることだけでなく留学生の受け入れ体制や留学生を守る法律があることからも、世界中から注目されています。

こんな時も安心!留学生活を守ってくれる法律

オーストラリアには、教育の品質保証・管理、学費の保護を行うことを目的とした、留学生のための法律があります。ESOS(イーソス、Education Services for Overseas Studentsの略)法と呼ばれるこの法律のおかげで、もしもの時にも不安なく留学生活を送れるように整備されています。

ではそのESOS法ではどのようなことが定められているのでしょうか。まず教育機関には、以下のような情報を正確に留学生に提供する責任を義務付けています。

・オーストラリアでの学習と生活への適応を支援する、オリエンテーションとサポートサービスの内容
・留学生担当官の連絡先
・コースの取得単位の申請ができるかどうか、および申請する方法
・在籍が延期、保留、取り消しになるかどうか、およびその時期 など

突然通っていた語学学校や高校・大学が倒産・閉校してしまった場合でも、オーストラリア政府から授業料の返還サポートや、レベルや目的に合ったコースを提供する別の教育機関への転校サポートを受けられるので安心です。転校にあたり学生ビザの変更や再申請が必要になった時でも、オーストラリア移民局の許可が出れば、追加の費用を支払うことなく再申請ができます。

更に留学生を受け入れる学校には、CRICOS(クライコス、Commonwealth Register of Institutions and Courses for Overseas Studentsの略)と呼ばれる連邦政府登録制度を採用しています。登録校では教師の資格・授業内容・設備・料金規定などが、政府の基準を満たしていなければいけません。政府に登録された学校のみ、学生ビザ取得に必要な正式な入学許可証COE(Confirmation of Enrolment)を発行できることになっているため、オーストラリアでは留学生に対して質の高い教育とサービスが保たれています。

留学生としての責任も忘れずに!

法律では教育機関だけでなく、留学生の果たすべき責任についても以下のように定められています。守られる権利を得るために、しっかりと責務を果たしましょう。

・学生ビザの条件であるコースで十分な成績と出席率(80%以上)を保つこと
・海外留学生健康保険(OSHC、オーストラリアの国民保険であるメディケアでの補償と同等のものが留学生に提供されている)に、滞在期間中継続して加入すること
・教育機関との間の書面の利用規約に従うこと
・18歳以下の場合、認可された宿泊施設、サポート、一般的な福利厚生の手配を維持すること など

18歳未満の留学生のためのガーディアン制度

18歳未満の留学生には、オーストラリア留学中のガーディアン(保護者・後継人)になる人を選定することが州政府によって定められています。基本的に各州の政府から認定を受けた社会的に責任を担えることができる人がガーディアンとして選定されますが、ホームステイをする学生に対しては、ステイ先のホストファミリーの両親がガーディアンを担ってくれることもあります。

非常時の連絡対応や病気の際の通院対応、日常的な相談相手、高校で必要な制服購入の手伝い、懇親会への出席などから、問題が起こった時に随時解決するサポートまでを行うことが、ガーディアンの役割です。高校留学をする学生の場合、この留学が初めて長期に渡って親元を離れるケースとなる場合がほとんどですが、頼れる人が身近にいることで、留学する本人が安心して生活できることはもちろん、保護者の方も不安なく預けられるでしょう。

困ったときはここ!留学生オンブズマンが中立な立場からサポート

更にオーストラリアには、学校生活を送る上で困ったことが起き、学校側に伝えても状況が変わらない時に頼ることができるオンブズマン制度もあります。オンブズマン制度は、必要に応じて中立な立場で調査や勧告を行う制度で、料金は無料です。

相談内容の例としては、入学拒否やキャンセル、転校、授業料の払い戻しなどに対する相談が挙げられます。覚えておきたいことは、「オンブズマンができることは申立人が公正な待遇を受けたか調べることである」という点です。学生の学業成績や出席日数について決断を下すことはできないので、ご注意ください。

私立の学校であれば留学生オンブズマンに、公立の学校であれば該当する州または準州のオンブズマンに申し立てができます。本人が許可をすれば、家族や友人による申し立ても可能です。

自国民だけでなく、国外から来た留学生にも手厚い制度があることは、オーストラリアが世界から留学先として高い人気を維持している理由の一つです。何かあった時に慌てないよう、どのようなサポートを受けられるか事前に知っておきましょう。平穏に留学生活を終えることができればベストですが、トラブルが起こってしまった際に問題を大きくしないためにも知識を蓄えておくことが大切です。